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本日21時に将棋メルマガ配信します。題名は

戦いは自分のやりたいことをやるものではない

です。保守の人、これがわかっていないから勝てない。じゃあ、何をするものだ？と思った人は将棋メルマガを読んでください。

さて本題は、昨日の続き。グローバリズムの定義を「己のイデオロギーを全地球的に広めようとする動き」としましたが、じゃあそれをやったのは誰か？　昨日は影響力を持った順に並べましたが、今回は時代順に。

★パウロ
人類史上、最初のグローバリスト。キリスト教の創始者。世界史の常識だが、キリスト本人は死ぬまでキリスト教の創始者の意識はない。あくまでユダヤ教の改革者。キリスト本人の死後に、民族宗教としてのユダヤ教ではなく、人類宗教としてのキリスト教を作り上げた。「人を愛せよ」と言う思想は、「愛せない者は人間ではない」の裏返し。
現代至るまでの影響力は説明不要だろう。地球はどうか知らないが、明確に全人類に影響を及ぼすことを意識していた。

★フーゴ―・グロチウス
昨日の記事と合わせて読んでもらいたい。ウェストファリア体制（明治人は文明国の通義と呼んだ）の創始者。国家が無い時代に国際社会を、国際社会が無い時代に国際法（文明国間の法）を考えついた。本物の天才。三十年戦争でグローバリズム（キリスト教）の猛威が頂点に達した時、新たなグローバリズム（主権国家並立体制）を提唱し、今に至るまで全人類に恩恵を与えている。しかも、本人は神学者で敬虔なクリスチャンであった。

★ヘンリー・パーマストン
帝国主義者代表として。当時のアメリカ合州国なんて、因縁つけられて泣き寝入り。ちなみにイギリス憲法の教科書には「議会がパリで喫煙を禁じるという法律を制定したら有効か」という問題があった。で、正解は書いていないが、連中は「軍事力で言うことを聞かせれば、イギリス憲法は国際法に優越する」と考えているとわかった。パーマストン先生の所業は、「嘘だらけ」シリーズをどうぞ。

★井上毅
帝国主義者たちに「これが文明だ！お前らは文明国じゃないから、お前らの法には従えない。俺たちの法に従え」と不平等条約を押し付けられた。明治政府は最初、条約改正には文明国と認めてもらうしかないと考えた。しかし、それをひっくり返したのが井上。「認めさせるのだ！」と。井上は連中が文明の法と言い張るものをすべて研究し、「日本に受け入れられるものだけ受け容れる」と認めさせた。そして連中の猿真似でも押し付けられたものでもなく、「我が国の歴史の中にもともと存在しているから、我が国の法とするのだ」との立場で帝国憲法を編纂した。帝国憲法は俗に「制定」と言われるが、本質は歴史の「発見」。
世界中に日本を文明国だと認めさせた、偉大な思想家（かつ実務家）。
グローバリズム（帝国主義）に対抗して、日本自身が名実ともに大日本帝国となるのに貢献した偉人。詳しくは、『帝国憲法物語』で。

★ウッドロー・ウィルソン
昨日も説明したので省略。こいつだけでアメリカを語るのは、あまりにも不公平。ただ、民主党系（政治家に限らず）や、共和党主流派（同じく政治家に限らず）の談合であるエスタブリッシュメントは、全員がウィルソニアンだと警戒して付き合った方がいい。トランプが偉いのは、そいつらと命懸けで戦っている事。「トランプを反グローバリストと持ち上げながら、ウィルソンの名前を出さない奴」は、学が無さすぎるので、分析も甘すぎる。

★スターリン
一国社会主義を唱えながら、実際はコミンテルンその他を通じて世界中に間接侵略を仕掛けた。敵国内にも共産主義者を扶植し、今も「リベラル」に名を変え潜伏させている。
こいつがすごいのは、上にあげた人物の内、井上以外のすべての人間を徹底研究したこと。
日本の保守が負けっぱなしなのは、数ではなく質で負けていると自覚しなければ。

こうして面子に並べると、プーチンが反グローバリストなんて何の冗談かと思う。グローバリストの尻尾に過ぎない。それどころか、ナショナリストですらなく、売国奴。ガスプロムなんて、自国に対する東インド会社じゃないか。

その親分の習近平は十八世紀的帝国主義者。下手すら、コロンブスと同時代人のオツム。私のような十九世紀的帝国主義者からすると、文明の薫りがしないので気持ち悪い。

「竹中平蔵がグローバリスト」に至って、何の冗談かと思う。代表的な新自由主義者はレーガン、サッチャー、竹中平蔵とか、頭大丈夫か？

ついでに言うと、トランプがグローバリズムに対抗しているというのは、あくまで一面的な側面にすぎない。彼自身が「世界一のアメリカ」という意識を持っているアメリカのナショナリストだが、押し付けられた側にはグローバリストでしかない。安倍さんが個人的に仲がいいからと油断していると、「お前は俺の言うことを聞け！」と言ってくるので、レーガンがそうだったし。