今月の『正論』は読みごたえがありますので、社会問題に関心のある人にはおすすめです。
まずは昨日紹介の川瀬さんの記事。私のコメントも載ってます(笑)。
歴史好きな人には竹本忠雄名誉教授の「災厄としてのフランス革命 博愛は幻想 ルイ16世の遺書を読み解く」なども読みごたえがあるかと。
あと佐藤優氏「回帰と再生と」の最終回で、私と竹田さんの対談に関して取り上げてもらってます。内容は国体論(天皇のありかたなど)に関して、「竹田氏の見解に全面的に賛成する」「竹田氏の言説を全面的に支持する」とのことです。というか、竹田さんだけが取り上げられたとも。(笑)
これに関連して、世の中には天皇は象徴か元首か、という二者択一の論争があるのですが、その前に日本国憲法学ではこの二つの言葉、特殊な用法があるのです。
「象徴」が最初に使われたのは、英国のウェストミンスター憲章です。もちろん「象徴」は積極的肯定的な意味です。竹田さんの用法はこのように、自国の歴史を体現する象徴、という意味です。この意味での「象徴」にはもちろん私も賛成です。
ただ、日本国憲法学では「象徴にすぎない」などと天皇を貶める意味が圧倒的多数派です。同じ言葉でも、意味が違ってくるのですから恐ろしいものです。
「元首」にしても、普通の国ではとりたてて強い意味はありません。国家の統一を象徴し、外国に対して国家を代表する、ぐらいの意味しかありません。
ところが、日本国憲法学では「戦前の天皇制を思い出させる」「天皇を元首などというのは避けたほうが良い」などと言われます。ついでに日本国憲法学の通説では、「日本の国家元首は内閣総理大臣」です。
つまり、彼らにかかれば、
日本の国家元首は麻生太郎
です。
ついでに民主党が政権をとれば、
日本の国家元首は鳩山由紀夫
になります。
そんな理屈、日本国を一歩でも出れば通じませんが。それにしてもすごい言説。
『諸君』が休刊の今、『正論』にはがんばってほしいですね。