皇女は天皇の娘だけ?

LINEで送る
Pocket

内密に真面目な質問があったので、あえて公開で答えておく。

皇女って、天皇の娘の事で、今は愛子様しかいないんじゃないですか?

ウィキペディアにはそう書いてある。最近ウィキは9割がた正しいだけに、知らずに信じてしまうので余計に怖い。

ここで『皇室事典 令和版』(角川書店、2019年)によります。編者は女系派筆頭の所功先生。

59頁に『日本書紀』の用例として
「皇親の男子は皇子、女子は皇女」と記されています。
ちなみに『古事記』は王、女王なので、
同時代ですら表記の揺れを飛び越えた違いがあります。
本来の皇親とは皇族の事。
現代の太后陛下・皇后陛下・東宮妃殿下のように
民間から皇族になられた方は皇女ではない。
それは当然として、ウィキ先生の書くように、
「天皇の娘だけが皇女」となると、
「佳子殿下は今は皇女じゃないけど、秋篠宮が即位されたら皇女になる」って?
我が国ではそんな運用はしていない。既に『日本書紀』の時代から。
ということで、
「天皇の娘だけが皇女」は狭すぎる定義と思います。

中国ならいざ知らず、我が国では。

「皇女は天皇の娘だけ?」への13件のフィードバック

  1. ウィキで確認してビックリ。
    こんな風に書かれているんですね。
     ↓↓↓

    【皇女】 ※末尾を抜粋
    2022年(令和4年)現在、皇女に該当する皇族は第126代天皇徳仁の第一皇女子・愛子内親王(敬宮)のみである。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/皇女

    ……脚注を見ると、宮内庁のページで確認したとあったので、試しに飛んでみました。すると、確かに、愛子様の欄には「皇女」とあるんですよ。でも、佳子様や悠仁様は「女子・男子」と書かれているだけなんです。
     ↓↓↓

    ◆天皇皇后両陛下のページより
    第1皇女子 愛子(あいこ)内親王殿下
     平成13年12月1日ご誕生
     ご称号:敬宮(としのみや)
    https://www.kunaicho.go.jp/about/history/history02.html

    ◆秋篠宮家のページより
    第2女子 佳子(かこ)内親王殿下
     平成6年12月29日ご誕生
    第1男子 悠仁(ひさひと)親王殿下
     平成18年9月6日ご誕生
    https://www.kunaicho.go.jp/about/history/history03.html

    ……「?!」と思って、三笠宮家や高円宮家のページをチェックしても、そんな感じです。ちなみに、香淳皇后に関しては、以下のように記載されていました。
     ↓↓↓

    ◆昭和天皇・香淳皇后のページより
    香淳皇后は、明治36年3月6日、久邇宮邦彦(くにのみや くによし)王の第1女子として東京・麻布でご誕生になりました。御名を良子(ながこ)と称されました。
    https://www.kunaicho.go.jp/about/history/history11.html

    ……いやいや、香淳皇后は皇女でしょう。女王殿下としてお生まれになった方なのですから!

    親王や王、内親王や女王という身分でお生まれになった貴い方々が、皇子・皇女ではなく、「男子・女子」の扱いだなんて。いつからこんな運用になっているのでしょう。日本の歴史に学ぶことなく、辞書か何かで用語として調べて、それをそのまま適用した可能性もあります。

    天皇の眷族(≒皇族)って、
    そんな軽いものじゃないですよ。

    尚、念の為、皇室典範もチェックしてみました。「皇女」という文言は登場せず、全て「皇族女子」とあります。私が見落としていなければ。

    1. 宮内庁ページありがとうございます、早速確認いたしました。ふわふわ様のおっしゃる通りでした。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーー
      天皇陛下>お続柄>上皇第1皇男子
      皇后陛下>お続柄>小和田恆氏第1女子
      お子様>第1皇女子>愛子内親王殿下
      ーーーーーーーーーーーーーーーーー
      秋篠宮皇嗣殿下>お続柄>上皇第2皇男子
      秋篠宮皇嗣妃殿下>お続柄>故川嶋辰彦氏第1女子
      ここまでは問題ありません。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーー
      秋篠宮家>お子様
      第1女子眞子内親王殿下
      第2女子佳子内親王殿下
      第1男子悠仁親王殿下
      三笠宮家と高円宮家も同じく。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーー
      宮内庁がこれでは一般国民が分かるわけがありません。
      所謂女系派の所功先生のほうが正しいことを書かれているのですから。
      まあ、ワルの宮澤俊義の憲法論どころか、馬〇の芦部信喜を事実上の政府見解とする位ですから、仕方がないと言えばそれまでかもしれませんが…
      申し入れは「ご意見・ご感想フォーム」ですかね。それともFAXの方が個人特定できるし、紙として残るしで証拠能力が高いかもです。でも、下手に素人がやらないほうが良いか?
      …なんか話がズレてきました、失礼しました(汗)

    2. 少々お詫びも兼ねて補足です。

      >申し入れは「ご意見・ご感想フォーム」ですかね。それともFAXの方が個人特定できるし、紙として残るしで証拠能力が高いかもです。でも、下手に素人がやらないほうが良いか?

      何かこの文面、ふわふわ様に無理やり決めてもらおうとしているようですね…失礼致しました、私が決めます。素人なのでやらないでおきます。余計な文面申し訳ございませんでした。

    3. おおっ、POPOR様のまとめの方が見やすいし、解りやすい。ありがとうございます!(_ _)

      もう何なんでしょうね、仰天しました。ウィキの間違い情報、元ネタは宮内庁でした、とか(爆)

      メールやFAX……、下手に送って言い掛りか何かかと思われたら、逆に困りますね。宮内庁側は「きちんと勉強して、業務として記載しました」と思い込んでいるんでしょうから。無名の素人が何を言っても信用して貰えなさそう(ー。ー;

      「主張と属性を分けて考えられない」という(沈)

  2. 「皇女」。皇の字を「天皇陛下や上皇陛下の皇」と捉えるか、「皇室の皇」と捉えるかによって変わりますね。
    確かに、私もパッと見では、天皇陛下や上皇陛下の女性のお子様のみにしか聞こえませんでした。皇親とは皇室の事なのですか!
    >『古事記』は王、女王
    そもそも古事記の時代からだからそれすら飛び越えているとは。
    「まともな」女系派筆頭の方はちゃんと知っておられますね…

    あと、こっちも重要だと思いました↓
    >皇親の男子は皇子
    皇親とは皇室の事だとすると、皇室の男子のお子様は皇子様となり、皇位継承における旧皇族男系男子の継承権に関して説得力が増すかと思います。もちろん悠仁親王殿下への安定継承が大前提ではありますが。
    逆に皇室破壊を目論む人たちからすれば、例え陛下でなくとも何かしらの方法(女性皇族がご結婚後も皇籍離脱しなくていい特例法を作る等)で所謂女系皇族のお子様が出来れば、その方も皇子様となり皇位継承権があるという説得力が出てしまうのでそこを狙ってくるかもしれません。

    >最近ウィキは9割がた正しい
    スパイのやり口ですら正誤8対2らしいので、それより1割多い9割だと信じてしまいます。厄介です。

    1. >皇親とは皇室の事

      皇室……と云いますか、天皇の親族です。倉山先生の記事本文にもありますが。
       ↓↓↓
      >>本来の皇親とは皇族の事。

      天皇は皇族じゃないんです。天皇は天皇。
       ★天皇+皇族=皇室

      ……ですので、「皇親の男子は皇子、女子は皇女」ということは、愛子内親王だけでなく、佳子内親王・彬子女王・瑤子女王・承子女王も、皇女であるということ。天皇の親族ですから。
      細かいことを言えば、親族は親族でも、民間から入内なさった皇后・妃は、生まれながらの親族ではありません。だから皇女(皇族女子)に含まれない。紛れもない女性皇族ではありますが。

      取り敢えず、説得力を持たせる(?)ために、コトバンクから引っ張って来ました。
       ↓↓↓

      【皇親】
      天皇の親族。養老令では四世王(天皇の玄孫)までを皇親とし,天皇の兄弟・皇子を親王,それ以外を諸王と称する。五世王は王と称することができるが皇親に含まず,706年(慶雲3)皇親に含むよう改めたが,798年(延暦17)再び令制に復した。
      ※出典:山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」
      https://kotobank.jp/word/皇親-495852

      ……尚、皇室典範によると、以下のような身分の変更はあります。ですが、内親王でも女王でも、「皇親」として生を受けた以上は「皇女」です。
       ↓↓↓

      第七条 王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。
      https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000003

    2. >本来の皇親とは皇族の事。
      >天皇は皇族じゃないんです。天皇は天皇。
      そうなんですか!?これまた知らなかった…。
      ふわふわ様が示された戦後の皇室典範にも書いてありました。
      >第五条 皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。
      確かに、「天皇」とは書かれていません。
      もちろんこの典範は戦後のものなので、(おそらく)戦後のものより正確であろう大日本帝国の典範も調べたのですが、
      https://ja.wikisource.org/wiki/皇室典範_(明治二十二年二月十一日)
      …読めない。。。しかも読めたところで当時どういう運用がなされていたかが分からなければ意味が無いという…

      タレーランがコーヒーに砂糖を何個入れていたか何てのはど~でもいい事ですが、陛下・皇室・皇族の事は話が違います。天皇は皇族ではない・皇族=皇室ではないといったパッと見細かな事例も一事が万事です。
      教えて頂きありがとうございます。

    3. おおっ、帝国期の典範!(°∀°;
      POPOR様、ありがとうございます!

      私もきちんとは読めませんが。こういうものはパズルです。単語、単語で現代の典範と付き合わせれば、該当するものが見付かります。現代の典範の第五条に対応するのは、以下。
       ↓↓↓

      第七章  皇族
      第三十條 皇族ト稱フルハ太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃親王親王妃內親王王王妃女王ヲ謂フ

      ……こんな感じの意味合いかと。
       ↓↓↓

      第七章  皇族
      第三十条 皇族とは、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃、親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王のことを言います。

      ……上皇陛下も皇族ではないんですね。つまり、一度でも天皇として即位なさった方は、以降、「眷族」としては扱われない。やはり天皇は別格です。

      私は皇族(=皇親)を説明する時、「眷族」という表現を用います。「神の眷族」とか「眷族神」なんて言葉も、神話やゲームに登場するので、若い人にも馴染むかと思ったんです。勿論、同族や血縁・親族といった意味合いもある言葉です。

      皇族って、単なる親族とは違うじゃないですか。天皇を支え、公務に励み、国を護る。終戦工作の時だって、日本から離れられない陛下に代わり、宮様が各地に赴かれましたよね? 細かい内容まではすぐに出て来ませんが。
      (確か、当時の竹田宮様は満州に向かわれたと思ったのですが。竹田恒泰先生の著書に記されていたような気がします。図書館に返してしまったので確認できませんが)

      ですから、将来、悠仁様が即位なさった時、宮家が一つもない状況は困ります。日本が今後、戦争をするとかしないの問題ではなく。眷族が一人もいない天皇では、狙い撃ちにされてしまう。実際、お命を狙われました。

    4. 大日本帝国の皇室典範は、厳格に書かれているので読むのが大変です。
      現代語風にしてあるものもあったのかもしれませんが、見つけられませんでした、すみません。

      「上皇」に関しては、私が見た限りでは帝国皇室典範に言葉自体がありませんでした(当然譲位もない)。理由は不明ですが、伊藤博文が譲位を認めなかったそうです。
      https://www.sankei.com/article/20161010-23YHWA4TAFJT3MPWGGHQRM326A/
      倉山先生も、譲位は色々問題があり、伊藤博文もやむを得ない状況だったと仰っておられました。
      https://www.youtube.com/watch?v=yMmlGrBtxaA>7分~
      https://www.youtube.com/watch?v=w2m-lcc3L-8>16分50秒~
      https://www.youtube.com/watch?v=6EUquOz9Gl8>4分15秒~
      そういえば、先生の天皇の本は読みましたが、上皇の本はまだ読んでなかったです、何か書いてあるかもです。

      >宮家が一つもない状況は困ります。
      ですね、宮家はどこぞの武家・名家の次男三男のような単なる予備ではないです。
      終戦時も先述の竹田宮様以外にも名前が出ないだけで、救国の英雄と言ってよい皇族・宮様が多数おられたはずです。

      >族=眷族(眷属)
      分かりやすいですねそれ!使わせて頂きます。

      1. >「上皇」に関しては、私が見た限りでは帝国皇室典範に言葉自体がありませんでした(当然譲位もない)。

        ……あっ、そうか。そうだった!(°∀°;
        帝国憲法と現行憲法では、譲位自体を想定していなかったんでしたね。だから特例法が必要になったんですよね。うっかりしていました。「上皇」「太上天皇」、或いは「法皇」と云う語が登場しないのは当然です。

        POPOR様、こんなに詳しく調べて下さって。ありがとうございます。大変だったでしょうに。上皇本、言われてみれば私も未読でした。次から次へと出版されるので、何かに気を取られていたり、体調を崩していたりすると、そのまま忘れちゃうんですよね。
        通常であれば、筆者が締め切りに追われるところを、読者が発売に追われると云ふ(^▽^;

        >族=眷族(眷属)

        ……ご賛同頂けた!(°∀°;ノノ
        私、「皇族=天皇の家族・親族」という一般の認識が、「女だって家事・育児をしながら仕事はできる。女にも天皇は務まる」という暴論に繋がっていると思うんです。他ならぬ女性が吐き捨てていますからね。

        皇后は専業主婦ではありません。皇后には皇后の務めがあります。皇后という時点で、すでに兼業主婦なんです。そして、天皇の務めを女性が担うことは出来ても、皇后の務めを男性が担うことはできません。逆立ちしても無理。

        眷族であれば、親族であると同時に、主を支えるために動く、というイメージも伝わると思いました。そして、響きもカッコイイ……!(* ̄∀ ̄*)

    5. 訂正
      譲位と上皇を一体のようなものだと勘違いしておりました。
      天皇にならなくとも上皇になられた方はおられました(貞成親王)。
      よって、譲位と上皇は一体ではないです、大変失礼致しました。

      1. ああ、そっか。不登極帝……(°。°;
        ん~、皇室の歴史は奥が深い。そりゃそうですよね、公称で2600年も続いていれば、そうなります。それを受け継ぎ、護っていくということは、本当に大変ですね。

        悠仁様のご負担を少しでも減らすためにも、頑張って勉強して力をつけなきゃ。学者さんだけがいくら凄くても、市井の人間に教養がないと、民主主義の時代はおかしな方向に進んでしまいますもんね。

        よっしゃ、気合を入れ直します!(≧▽≦)
        POPOR様、色々とありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA