一言でまとめると、
鳩山と小沢の二人がかりで、輿石一人に逆らえなかった。
以上。
これではあんまりなので、真面目かつ丁寧に話をしましょう。
私は予測予想予言のたぐいはしないので、今何が起きているかをお話します。
また、過去に何を話したかを話しましょう。
ただ、29日に
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100520/stt1005202005013-n1.htm
をあげていたの意図はあります。
私が何を言っても、「小沢は民主党の独裁者」「輿石は小沢の腰巾着」と頑迷固陋に思い込みを変えない人があまりにも多かったというのがありますが。
まずこういう状況では、誤情報が飛び交うということ、マスコミ、特にテレビでは速報性が求められているので、「そういう情報が流れている」と構えてみる必要があります。
例えば、小沢幹事長が鳩山首相に退陣を迫っていたのか逆なのか、昨日と今日で報道は二転しましたが、その真偽を今求めても、密室の会談ですから無意味です。
結果的に事実と違っても、「何々筋から〜という情報が流れてきました」が大事なのです。
それだけで誰がどういう動きをしているかはわかるものですし。慣れてくると、絶対確実、決定的な情報がわかります。
ちょっとプロ的な技ですが。
例えば、小泉さんが最初に総理に当選した総裁選では、
「小泉候補は堀内派会長(橋本派の同盟派閥)と会談しました」というニュースが日テレの「今日の出来事」で流れた瞬間(しかもエレベーターに一緒に乗り込む映像付)、「小泉は堀内に錯誤を強いているな」と感じました。
まああの時の選挙は小泉が負けるわけがないと思っていましたが(理由は「亡国前夜」でどうぞ)、実際に堀内派は橋本派につかずに自主投票で、小泉さんは予想以上に橋本さんに差をつけました。で、組閣では堀内さんは党三役総務会長に、と論功行賞。
小泉が堀内に切り崩しをしていた画だった、と確認できた訳です。
まあ、いきなりこんな高度な技ができなくてもメディアリテラシーがない訳にはなりません。
大事なことは、絶対確実な情報だけを拾い上げればよいということです。
いきなり応用は無理でも、客観状況(ある程度変わらないもの)を追いかけることで、かなりのものが見えてきます。
試しに、鳩山・小沢・輿石参議院会長の三人の立場を考えてみましょう。
簡単です。
鳩山=本当は辞めたくないに決まっている。
小沢=選挙に負けても辞めなきゃ。でも辞めたらつかまるかも。
輿石=頼むから支持率回復には鳩山と小沢にやめてもらいたい。
以上、誰の意思が通っているでしょうか?
よって結論は、冒頭の一言まとめになります。詳しい理由付けは過去ログで勉強してください。
まだ説明不足ですか?
では三人の強みと弱みを考えましょう。
鳩山=何といっても総理。何が何でも辞めない、と言えば辞めなくてすむ。
選挙に負けた総理として袋叩きにされるのは耐えられない。
小沢=単純に代表選挙なら、数だけは揃っている。
総理に辞めろと言えば自分も辞めさせられるかも。捕まる可能性が高い。
輿石=誰が総理(代表)だろうと、あらゆる法案を通さないことも可能。
自身が落選しそうで、参議院での求心力も低下。
以上、瞬間的な力関係で並べてみると、
輿石>鳩山>小沢
になります。
詳しい理由は、「参議院って何?」シリーズで。
明治以来の日本の憲政史の大原則。「拒否権>指導力」
小沢さんが総理(代表)を決められる指導力があっても、輿石さんの協力がなければその総理が辞めざるを得ないのです。世の皆さんは指導力に注目して「小沢最強!」とか言っているのでしょうが。今日の『産経』一面の榊原智記者は「小沢の権力基盤は参議院」と言い切りましたけど。ようやくですね。
で、今回の騒動を時系列を並べてみると、
半島危機勃発・・・北朝鮮をどうしようかで、米中緊張。
米国は「日本よ、足を引っ張るなよ!」と、中華様に対して縄張りを確保。
日米合意成立・・・米国、親中鳩山政権に「普天間なんかいい加減にしろ!」と恫喝。
社民党離脱・・・「沖縄は一丁目一番地だ!(結局米国を追い出さないの?中華様が困る!)」
社民党、内閣不信任案に賛成の意向。・・・共産党ともども「中華様を裏切ったな!」
自民以下その他の党も不信任案提出の意向。・・・心ある人・数人「戦時体制を作らないと!」
⇒全く逆の理由の、同床異夢の内閣不信任案である点に注意。
輿石、激怒。・・・「あんたじゃ、選挙に勝てない(中華様への裏切りだ)!」
鳩山、黙考。・・・「どうやってやめようか(アメリカ様恐かったもんなあ)」
小沢、沈黙。・・・「私も辞めるの?(我が身は大丈夫?)」
鳩山、小沢道連れ退陣。・・・これが一番格好良い辞め方かなあ。
菅、鳩山・小沢・横路・江田に挨拶。「代表選挙に出ます!」・・・旧社会党には媚を売らねば。
↑輿石&高嶋を訪問したかは知りませんが、横路&江田って、、、
長くなったので、次期総理のあり方、というか「憲政の常道」に関しては、別に。
倉山先生
あえて、私は予言の類をします。
ポイントは、新代表・新総理が、普天間問題についてどう対応するか。
普通であれば、鳩山首相の日米共同声明を辺野古の文言を削除せず
そのまま引き継ぐ。(直後にサミットもあり、オバマ氏に会う以上
いまさら反故にはできない)
→社民党は野党のまま。ますます民主党と距離を置く。
国会会期は延長しない(山岡氏)、郵政改革法案が成立せず。
→国民新党も距離を置く。
ここで野党は、あえて問責決議を新総理に提出。
与野党間の議席数差は1票しかないので、
民主党議員は沖縄選出議員も含めて、反対せざるを得ない。
→社民は連立復帰せず、国民新党も距離を置く
→選挙に有効にはならない。
こうなったら、本当の黒幕である輿石なにがしが、代表を変えたところで
選挙では勝てないですよ。
4日の新総理就任会見で、誰か記者が普天間問題の日米共同声明について
質問してくれればいいのですが。
唯一、輿石氏が打てる新総理支持率急上昇の一手があります。
それは、鳩山氏が連呼した「クリーンな民主党」を打ち出すために
鳩山由紀夫・小沢一郎・石川知裕・小林千代美の4議員を
新代表が即刻議員辞職させることです。
鳩山氏も発揮できなかったリーダーシップをまざまざと見せる一手。
これをやれば、選挙も勝てるでしょう。
鳩山さんを除く3議員だけでも十分です。
輿石氏に本当に力があれば、
参議院のために「たかだか」衆議院の3議席を犠牲にするなど
とーっても簡単なことですよね?倉山先生。
倉山さん
こんばんは。藤沢です。
待ってました!wwwww。
この政党の権力構造をまざまざと見せつけられた感じでしたね。
産経の榊原智さんが興味深い記事を書いています。この人は分かっていらっしゃる感じですね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100527/stt1005270005000-n1.htm
時系列に興味があるといいますか、重要なのではと思います。
この点との関連で言えば、今回の一連の流れ、社民党の振る舞いは何か「出来すぎ」の感じさえしています。まああの人達の事でしょうからあくまで偶然でとても計算づくとは思えませんが・・・wwwwwwww。
単なる推測ですが、捕まるという点では輿石とて落選の場合は(当選しても)、その可能性はあるのではと思います。さしあたっては当選しないと余計危ないでしょうけど。
まあ、とにかく輿石は落ちるべきである。それではまた。