人前で読んではいけない本

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 よくわからないが、こんな愚かな本が30万部も売れているとか。

藻谷浩介『デフレの正体』

 こんな本を買って人前で読んでいようものなら、マトモな大人から顔をしかめられるタグイの本が『デフレの正体』。どうしても、ゲテグロ見たさで読みたければ、かわらに捨ててあるのでも拾って、親に隠れて夜中に押入れでこっそり読んでくださいというタグイの本です。
 まあ敵情視察のために買わざるを得ない仕事の人はともかく、普通の人は目次を読んだだけで、買う価値が無いと判断できなければいけません。日本人として知的レベルを疑われます。

 日本中のまともなエコノミストから
「あなた御自分でおっしゃっている意味がわかっていますか」
と指摘され、
「すみません。私、デフレの話をしているんじゃないんです」
と、発売直後に自説を撤回したという、
 今や“トンデモ本の最高峰”とも言われるのがこの本です。

 管見では、藻谷説をこの世で最も完璧かつ簡潔にこき下ろした論説がこれ。
http://www.facebook.com/note.php?note_id=153860434659317

 上念司先生のマトモな本が世に出回った後になぜ藻谷本のような愚かな本がベストセラーになるのか?
 それは、帯に池上彰(とついでに山田真哉)が書いたからでしょう。
 他に何もない。それだけ日銀とその工作員どもは焦っているのでしょうね。必死の営業宣伝工作の勝利?しょせん一時的ですが。

 私、立ち読みで目次だけ見て、唯一読む価値がありそうな頁をめくったら、
「お札を刷ったら解決するような、そんな簡単な問題ではない」としか書いてない。
 何がどう簡単な問題ではないのかがさっぱりわからない。
 だからデフレを語った本としては失格。(本人も「署名に偽りあり」と認めている)
 本当に15秒で終わりです。

「大学弁論部に入部して2週間たちました」という学生ならば15秒で論破できなければ
「貴様、今まで何をしとった?」と「ムリヘンにゲンコツ」の制裁モノです。
 今の学生諸君の雰囲気は知らないですけど、少なくとも私の学生時代なら、本当に15秒で根本的な間違いを言えなければその瞬間から、ほとんど中世ヨーロッパにおけるユダヤ人の如く、
渾名が「モタニ君」「デフレの正体君」「人口デフレ野郎」などと迫害されたものです。
 だから、そういう憂き目に遭うのがイヤで真面目に勉強し、技を磨いたものです。

 初級者用の論破マニュアルだと、
  人口減少はインフレ要因です。
  日本以外の少子高齢化の国はみんな(マイルド)インフレ傾向です。
  あなた、バーゲンセールとデフレの区別がついていますか。
くらいで終了。
 まじめに経済学的にやりだすとこの種の致命的欠陥を30個くらいならばられるはず。

 ここからは、上級編。
 とある尊敬する政治家とのかーなり前の電話。

「倉山よ。なぜ藻谷ごとき小物討伐に血道をあげるのじゃ?(佐賀弁)」

「それはですねえ。藻谷はしょせんショッカー戦闘員上がりの一怪人ですが、
 池上彰という死神博士級の大幹部がいて、首領がパクヒョンミョンなんですよ。
 で、ショッカー以外のあらゆる悪の組織を束ねる真の大首領が居るB26暗黒大星雲がある場所 は中南海なんです」

「なるほどぉ!貴様は常に正しいことを言う!(佐賀弁)」

 これでわかるから、政治家をやっていけるのです。しかも実力のある。

 真贋を見抜く目というのは大事ですね。

「人前で読んではいけない本」への0件のフィードバック

  1. 問題は、この藻谷某が、東京大学法学部を出て、
    国が100%出資している日本投資政策銀行に入行し
    おそらくはその会社の経費で、コロンビア大学でMBAを取得し
    現在も、日本投資政策銀行にいついているという点です。
    ここまで国のお世話になっておきながら、
    国民を惑わす怪文書を30万部もばら撒くなど、恥を知るべきでしょう。
    通常の精神であれば、学位をすべて返上し、職を辞して
    世間を惑わせた罪を償うために、行脚するでしょう。
    あるいは、行内からこのような詐欺師を生み出してしまった
    日本投資政策銀行自体が、その価値を疑われることですので釈明を早くすべきです。
    まあ、当然この本の印税収入は、国庫に入れているんでしょうね。

    まさか東大法学部出身のコロンビア大学大学院MBA取得者が
    こんなあほな本を書くわけがないので
    (頭がいいという意味でなく、こんなトンデモ本を出版したら、
    同級生など周りから一生馬鹿にされるので)
    おそらくこれは日銀の謀略としか思えないのですが。
    本人が、これは日銀と中国の謀略ですと自白したならば、罪一等を減じてもいいと思います。

    どなたか「『デフレの正体』の正体」という本を書いていただけないでしょうか。

  2. 追記します。

    >どなたか「『デフレの正体』の正体」という本を書いていただけないでしょうか。

    明らかにすべき「正体」は、この「デフレの正体」という本そのものの醜い正体だけではありません。
    この本の背景にあるもの、つまりこの本を礼賛し、日本国中にばらまく原因を作った人物と
    その背景を浮かび上がらせるべきでしょうね。

  3. ちょっと調べてみたのですが、この人、そもそも経済学は専門ではないようですね。いちおう「地域エコノミスト」とは書いていますが、専門はむしろ都市開発のようです。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%BB%E8%B0%B7%E6%B5%A9%E4%BB%8B

    法律の世界では資格のない奴が弁護活動などすれば「非弁活動」としてパクられるんですが、ろくに経済のことも知らないくせに経済学について語っても犯罪にならないなんて、いい身分ですねぇ。

  4. この本、私も本屋で見ました。目次を見て買ってはいけないと思いました。倉山さんと同じで、ほっとしました。

    4月に向けてだんだんヤマ場に近づいて来た感じがします。変な話に騙されない様、注意深くニュースを見て行きたいと思います。

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