自民党の国会議員は頭が悪くて構わない大真面目な理由

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 自民党の国会議員は頭が悪くて構わない。この場合の「頭が悪い」とは、「教養が無い」「知識が無い」「論理的な思考ができない」「難しい話が理解できない」のすべて。

 自民党の国会議員に頭の良さを求めるなんて、八百屋で魚を求めるようなもの。求める方がおかしい。

田中角栄は「国会議員なんて、賛成か反対かだけ間違えなければいい」と、言い放った。それでも「ボタンを押し間違えた!」の片山さつきもいたが、こいつはそっち枠じゃないんで造反

角栄が言いなりになる議員を大量生産して派閥を拡大した。結果、どうなったか。おバカの集まり派閥となった。

愛知揆一(こいつも、ええかげんええかげんだったが)が死んだ後の田中派の幹部と言えば、地獄絵図。

橋本登美三郎、西村栄一、二階堂進、小沢辰雄、江崎真澄、山下元利・・・。「集金能力ゼロの無能者集団」と評された。配り方が上手かったかどうかは知らんけど。

こんな有様なんで、竹下金丸の謀反が何度ばれても切れないどころか重用せざるを得なかった。そして用心棒で後藤田正晴を招き入れたはいいけど、年功序列を超える出世をさせたことで、嫉妬の嵐によって派閥が崩壊。

それでも三角大福中は全員が派閥の創業者。「リーマン議員」は一人もいない。

三木武夫=憲政史上唯一、誰の側近にもならず総理になった。

田中角栄&大平正芳=派閥をクーデターで強奪。

福田赳夫&中曽根康弘=派閥分裂に際し、自派閥を創業。

 

次の世代になると、この意味での創業者は竹下登ただ一人。結果、90年代の日本政治は「竹下さんの言う通りにしていれば出世できる」という文化になった。たまに地方に優秀なのがいても、賞味期限が切れてからじゃないと上にあげてもらえない。後援会の利権を脅かさないアホばかりが上に行く。あとは郵政選挙とか博打みたいな選挙に公募に来る、およそマトモじゃない人たち。

それでも派閥の領袖になるような人で官僚の言いなりになる人は一人もいなくなった。

じゃあ、ここまで自民党の派閥の領袖が白痴になったかというと、小泉内閣の末期。洗脳されて女系論を言い出し、金融緩和解除を押し切られた。以後は安倍さんが二度の内閣で頑張る気配を見せただけ。麻生内閣と今の安倍内閣の後ろの6年は白痴のたまり場で悲惨の極致。

 失敗の根源は、官僚機構をシンクタンクとして使ってきたこと。この時点でシンクタンクの意味をはき違えているくらい白痴。

 シンクタンクとは「官僚機構の情報に対抗できる民間の知見を総合的に研究する場所」なのに、官僚が間違えたらどうするんだ? で、実際に間違えている。

今の自民党があるのは池田勇人の遺産。「国民に飯を食わす!」というわかりやすい存在意義を確立したのが池田。細かいことを言うと、岸信介は非力でそれができなかった。吉田茂や鳩山一郎は自民党ですらない。

池田は官僚もブレーンとして使ったが、その前に「自分の頭を作っていた」。当然、官僚以外の学者や財界人の話も聞いたし、何よりも自分で勉強していた。国を想う志があるならば政治家も官僚も民間人も差別しなかった。

池田の敷いたレールの上に自民党は存在し続けたのだけど、そのシステムが「出世する奴は官僚と張り合える何かを持っている」だった。

まったく褒められない事例だけど、池田の官房長官だった鈴木善幸は総務会長十期。党内で揉め事があると、調整する名人だった。つまり、政策の中身はわからないけれども、利権の調整は出来た。この場合の利権の調整とは決して悪い意味だけではなく、「極端に困る人を出さない」という意味でもあった。

 バブル期までは「総中流社会」という言葉があったが、つまり「極端な金持ちもいないが、極端な貧乏人もいない」という国だった。言い換えれば、自民党の存在意義は戦死者と餓死者は出さないだった。

 今や、自民党は災害対策すらできなくなっている。コロナ対応なんて、菅内閣より悲惨。これも官僚に頭を丸投げしていたツケ。

田中角栄は功罪が多いけど、災害対策を業績に上げる人はいない。できて当たり前なんで。官僚に四の五の言わせず、現金つかみ取りで被災地に渡し細かいことは後から考える。

河野一郎に至っては、東京が水不足の時に「利根川大切断!」で一挙に解消。じゃあ褒められたかというと、「日頃から金権政治家として悪事を働いているんだから、それくらいやって当たり前」という評価。

ついでに言うと、河野は「農林省大虐殺」「建設省大惨殺」と語り継がれるほど、官僚人事に介入した。官僚に対する敵愾心が強すぎるくらいだった。

 別に官僚を敵視しなくていい。しかし、政治家が自分の頭を丸投げしてはダメ。官僚は既存の法律で何ができるかを知っているだけの人。既存の法律で対応できない時に何をしなければならないかは、政治家が見つけ無ければダメ。その典型が、利根川大切断!

 角栄は、「若手議員なんて大臣になる前は、特に3回当選して地盤が安定する前は政策なんて語る前に選挙区を回れ!」と説いた。これが白痴化の原因なんだけど、それでも後に派閥の番頭以上に出世する政治家はやるべきことをやっていた。だから国民の声を政治に届けることができた。
 官僚が法律を語ると、「現場の民の声は違う!」と言えた。生の声には官僚も一目置かざるを得なかった。逆に、中途半端な政策論を挑む奴はバカにされた。官僚からしたら、「あんたらが選挙と雑用の片手間に勉強している政策なんて、こっちは24時間365日やっているんだから」で終了。

最初に戻る。自民党の国会議員はバカでいい。その代わり、党幹部や官僚に対し、民の声を伝える役割がある。

最近の自民党国会議員、特に若手でSNSをやっている奴の何に腹が立つか?

 上の意向とか、官僚の論理を、選挙民に説教してんじゃねえよ! 説教で悪けりゃ、できないいい訳すんな! 自民党国会議員の仕事は、特に若手で力が無い奴らは、せめて国民の声を上に伝えることだろうが!

自民党の国会議員なんて頭が悪くていい。そんなもの期待する方がバカ。自民党自体がただでさえバカ再生産システムと化していて、しかも制度疲労が限界なんだから。

それでも、せっかく与党なんだからやれることはある。

 SNSをやるなら、国民に対してではなく、幹部や官僚に向かって言うべきことを言うべきだ!

 

 

 

 

 

 

「自民党の国会議員は頭が悪くて構わない大真面目な理由」への7件のフィードバック

  1. さすが倉山さん。全くその通りですわ。
    今や(悪夢の民主党政権時代)なんて言ってたら
    ふざけるなと有権者に言われ終了です!
    ここまで無能無策だとは思いませんでしたわ。それとシンクタンクの件はまさしく
    その通りで財務省役人に増税すれば
    景気が回復するとマジに思っている
    なんちゃって保守議員がそれを証明してます。やはり有権者が賢くならないとあきまへんなぁ〜。

  2. 西村栄一は西村英一じゃないですかね。

    また~今度は西村眞悟先生に喧嘩売って^^;と思ったら、良く考えてみたら西村栄一って民社党じゃないですが。田中派別動隊だったっけかと悩んでしまいました。

    民社党みたいなのが大きくなれないのが日本のつまらないところだと思います。公明党と組んだのが良くなかったのか。

  3. 二階、岸田、とコロナ対策には無能な幹部ばかりですね(笑)
    安倍さんはがんばってますが。コロナ対策゛世界最大の経済対策゛だって。゛世界最大゛形容詞が余計です。

  4. 頭の悪い政治家は別に構わんのです。
    頭の悪い行動(或いは無為)をする政治家が有害なのです。
    政治家の行動の良し悪しは、頭の良し悪しとあんまり関連性が無い様にさえ見える時があります

  5. 三木武吉なら「君ら青年将校は何しとるんだ」ってハッパかけたろうに。
    ハマコーなら血判集めたろうに。
    政党なんて手段でしかないのに、どいつもこいつも大企業の社員みたいにヘコヘコしやがってよう。

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