南北正閏論争に関する仮説

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小室直樹博士はソ連の崩壊を予言したので、狂気の天才とされる。狂気ではあっても天才。

その重要な根拠が、スターリン批判によって、アノミーが起こったとする点。

これを最も深刻に受け止めて実践しているのが、中国であり北朝鮮。

中国はあれだけひどい目に遭わされても毛沢東を否定しないし、北朝鮮も金一族の神話を積み重ねている。

さて、我が国では。

日露戦争に勝って5年もたたないうちに、幸徳秋水が南北正閏論争を引き起こした。幸徳曰く、「今の天皇は南朝の天皇から三種の神器を奪って皇位を簒奪した北朝の子孫ではないか」と。

これに山県有朋が発狂。桂首相も明治天皇も止められないほどに発狂。全身痙攣を起こすほどに発狂。そして、学者の大半も山県を支持。

結果、南朝が正統とされた。明治天皇は北朝の子孫なのに。

その後の歴史はあまり語りたくないが、正論が通らなくなる国になって大日本帝国は滅亡した。

この事件だけで大東亜戦争に負けたなどと一足飛びの議論をしたくないが、重大な事件であるのは間違いないと思っている。

そして最近の研究では、幸徳の周囲にはアメリカ共産党の影が散らつくし、片山潜に至ってはスターリンが棺を担ぐほどの超大物だった。

コミンテルンができる前も無くなった後も、日本は負けっぱなしか。まず最初に、思想を正さねば。

前々から「北朝正統論」と「三種の神器を過大評価するな」は考えていたのだけど、歴史マニア向けの話じゃなくて、意外に大きな問題のような気がしてきた。