アメリカ大統領選については、まともに取り上げたことはなかったのだが、ちとびっくりしたことがあったので、一言。
チャンネルくらら「バルカン」シリーズで聞き手を務めてもらった古谷経衡さんの記事。
Yahooトップに来てて、あけたらびっくり。
日本でじわり広がる”トランプ大統領”待望論―対米自立か隷属か―
まず内容を説明すると、古谷さん自身、トランプを色物扱いしていたけど、最近は少し考えを変えたという趣旨の記事。
それはそれできちんと説明しているので、好感が持てる。
保守業界には「十二時間に一回転向して意見を真逆に変える」という御仁もいるようだけど、それに比べなくても、全然問題はない。
古谷さんはアンチが多いから「前と意見が違うぞ」と鬼の首を取ったように拡散する輩がいるだろうけど、魚拓を取る前にちゃんとした読書の習慣を身に着けたほうが良い。
そもそも、古谷さんの記事は現象に対して状況の変化に対応して評価を変えただけ。
根本的思想をコロコロ変えているのとは違う。また、根拠薄弱なアジ演説もどきの言論で情報弱者を扇動し、気分と都合で仲間を切り捨てる輩ともまるで違う。
他人を批判したいなら、そんな基本くらいは抑えておくこと。
ネット時代で素人さんも好きなだけ意見が言えるけど、「自分は言論の自由を行使したいが、反論されない特権も欲しい」という甘えた態度で許されるとは思うな。
仮に古谷さんに攻撃される理由があるとしよう。人間誰でも一個や二個や五個や十個や二十個くらいは、攻撃されても仕方がない欠点はある。これは絶対評価の話。
だが、古谷さんよりもっと攻撃されなければならない人間がいるのに、ソイツは見逃して古谷さんだけを攻撃するのは如何なものか。これは相対評価の話。
そういう人には「お前の基準は何だ?古谷さんを攻撃するということは○○には百倍攻撃してるんだろうなあ」と追及させていただく。
絶対評価なんて誰でもできるけど、そいつの意見がまともかどうかは相対評価で決まるのだから。
さて、本題。古谷さんのこの記事が秀逸(※)なのは、保守層を三分していること。
一、アンチ左翼(ネット保守)
二、親米保守 (産経保守)
三、自主独立 (倉山満)
え?
気づいたら、ネット保守全体と“大”産経新聞と倉山満個人が等値になっていた。(微笑)
言論の世界では数は問題じゃなく、質だから、こういう区分もありうる。
古谷さん自身も「三」の立場に親和性を感じてくれているらしいので、それはそれでうれしい。
※といってよいかどうかはわからないが、この区分がおもしろくて、ここでとりあげたくなった。
なお、こんなこと解説するのも嘆かわしいが、倉山満に親和性を表明するのと、倉山満の意見に親和性を表明するのは、
まるで違うことなので、便所の落書きのような意見を拡散しないこと。こっちが情けなくなる。
で、私の感想だけど、普段なら孤高が大好きな私も、さすがにこれは恥ずかしい。
実は夏に向けて「米国の歴史を振り返りながら、アメリカ大統領選後の世界と日本の行方を考える」という本を書こうと準備中なのだけど、
現段階では私は「勉強中」と答えるしかない段階なので、くりかえすが恥ずかしい。
もし私の意見を褒めてくれるとしたら、それは詳細にご指導いただいている、評論家の江崎道朗先生のおかげとしか言いようがない。
江崎先生と言えばコミンテルンの研究に代表される学術的知見と最新情報の深い情報源による取材で、目の肥えた層からの評価が極めて高い評論家の方。
私はアメリカ大統領選挙なんて俄か勉強なので、もし褒めていただけるとしたらすべて江崎先生の教えの賜物。
何か間違っていたら、私の力不足、と思っていただければと思う。
トランプは最初に出てきたときから、ほとんどの人々が色物扱いしていたけど、私は江崎先生と話す機会が多かったので、「実は本格候補」という認識は持っていた。『正論』なんかでも書かれているし。
それがたまたま大統領選の番組の聞き手ということで、意見表明の機会があったということです。(恐縮)
ちなみに「本格候補」としか言っていないので、誤読しないように。
この認識自体は正しかったことは証明されたと思うので言うが、これより先の事は私は何も言っていないので、あしからず。
チャンネルくららでは、何回かこのテーマは提供している。
米大統領予備選の混迷で分かる若者の不満 第1回「トランプとサンダース、躍進の背景」
https://www.youtube.com/watch?v=yBwTCy_te5E
「トランプ対サンダースはあるのか!?スーパーチューズデー2」
https://www.youtube.com/watch?v=EqXschw6bqE
「Randomyokoさんとアメリカ大統領選挙を語る!〜トランプが大統領になったら日本は?」
https://www.youtube.com/watch?v=Mbtaxy1anPU
特に、Randomyokoさんなんかはかなり早い時期からトランプ推しをしていたのだから、私なんかより注目してあげてよいだろう。
ということで、自主独立(チャンネルくらら)としてくれるくらいがいいかなあ。あるいは私の代わりに江崎先生やyokoさんこそ名前を挙げられてしかるべきと思う。
ちなみにyokoさんの番組で、彼女の長所は伝わったと思うし、また短所も伝わったと思う。
それが狙いの番組でもあったし。
ファンの皆様に育ててほしいと思うし、古谷さんなんかもいい後輩ができたと思って、厳しくでいいので、指導して育ててあげてほしいと思う。
てなことを業界ほぼ最年少の私が言わなきゃいかん時点で、保守業界の立ち腐れは根が深い。
それどころか、若い人を褒めた途端に、古谷さんやyokoさんのことをああたらこうたら言う輩が後を絶たない。
そのタンビに思うのが、「じゃあ、○○にはどれくらい批判したの?」ということ。
○○なんて古希に近いエエ歳して、人の道に外れたことを俺が知るだけで三十回くらいやって、そのタンビに保守業界の老人が、「まあまあ○○さんも一生懸命やっているのだから」とか
訳の分からない理由で甘やかして増長させてきたわけでしょ。
しかも、老人が○○の機嫌をとる陰で、弱い立場の人がその都度泣き寝入りして知らんぷり。
保守業界の老人は、若い人が寄りつかない理由を考えてほしい。
といっても無理だろうなあ。
中途半端に生きてきた保守老人を片っ端からシバキ倒さない限り、若い人の生きる道がないのじゃないかと真剣に思う。
ということを書いただけで、
「倉山は言い方が過激だ」
「同じ保守の悪口を言うべきではない」
「あっち側に敵がいるんだから、サヨクみたいな内ゲバはやめようよ」
と言われるので、ハイハイと聞き流すことにした。
そういう人たちは、一生負け組でいるのが好きなのだろうし、そもそも勝つ気があるのかどうか疑わしいし。
そして、チャンネルくららを「目の肥えた視聴者のためのメディア」に育てていこうと改めて決意した。