保守って何?

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 売れ行き好調。

杉田水脈さんとの共著、

胸を張って子ども世代に引き継ぎたい
 
日本人が誇るべき《日本の近現代史》

 いよいよ明日。

倉山満先生の日本の思想を考えるセミナー 保守とは一体何なのか? 講師:倉山満 12/14

 なお、以下FBに書いたことを転載。

 

 保守は仲良くしようよ♪
 甘美な言葉ですね。
 では、どうやって、日本の保守派を立て直すか。

 9日に「あれを真似するか」と書いた「あれ」とは。
 ロシアの保守のこと。

 ロシアは、革命でソ連に国を乗っ取られ、74年も主権を失った。その塗炭の苦しみ、アメリカの持ち物にされ、ソ連やシナに小突き回される日本の比ではなし。

 ソ連時代のロシア保守は反体制派。
 当り前だが、体制を革命派に乗っ取られているのだから。
 ソ連はロシア保守の復活を警戒し、徹底的に抑圧した。
 その最たるものが、十五の共和国の内、ロシアだけ共産党を作らせなかったこと。
 ソ連の最大の敵はロシア保守(ナショナリズム)の復活だったのだから、当たり前だ。

 それがベルリンの壁崩壊後の1990年にロシア共産党が結成される。
 ここでうまく立ち回ったのがエリツィン。
 ロシア共産党をゴルバチョフと保守派(ソ連体制派)に結成させ、かつ内ゲバでヘトヘトにさせる。
 これでソ連の屋台骨はガタガタ。
 ソ連の命脈が尽きたところで、そのロシア共産党を非合法化。つまりロシア共産党をソ連共産党支配を潰す“砕氷船”にしたて、用済みになったら潰す。
 ソ連共産党がさんざんやったことをお返してやった。
 結果は御存じの通り。
 1991年、ソ連崩壊。
 ロシアがソ連から離脱を宣言したら、一瞬で消滅した。
 それを止める力は残っていなかったし。

 我が日本の保守派は、今の体制では反体制派である、という自覚が必要だと思う。
 じゃあその後どうするか?
 ここは倉山塾じゃないので、軽くは言えない。
 前提条件となる知識が必要すぎるので。
 だが以下の二つは学べるはず。

 一つは、ロシアに限らず、亡国から復活した例などいくらでもあること。
 私は新人物往来社の『総図解 第二次世界大戦』の書き出しを「民族の生存を決するのは歴史認識である」と書いたが、
 その時に念頭に置いたのはポーランドとイスラエル。
 彼らの復活にかけた執念を考えると、今の日本の保守派の悩みなど子供の遊び。
 彼らがどんな知恵を絞り努力をしたか、それを学ぶだけでも甘いことは言わない。

 現在進行形のウィグルや現在完了形のチベットと比べても良し。ではその中国共産党は?蒋介石に追い回されていた毛沢東がその後に天下を取るとかありえたか。
大日本帝国が健在なら、中国が世界の強国になることなどあり得たか。
 ということは、今の日本より遥かに弱体だった毛沢東に学ぶものは沢山あるはずだ。

 よく、「アメリカ派でも中国派でもなく日本派」と軽く言う人がいる。
 じゃあ、それを実現するのにどれほどの裏付けがいるか。
 チャーチルとスターリンに
「ユーゴは100%ユーゴ人のものだ。いかなる外国人の支配も受け付けない」
と敢然と宣言したチトーがどれほどの力を示したか。
 人口の一割を死なせながら、ナチスのSSが泣いて帰るほどの戦いをやった。

 江戸後期の”意識の高い人”が、世界に知識を求めたように、本を読んで知識を蓄え、モノを考えることはできる。
 しつこく言うけど、知の再構築。

 もう一つは、今のプーチンを褒め称えている奴を胡散臭く思うこと。
 エリツィン時代、アレクサンダー・レベジの主導で、親NATO、親日米安保の政策が取られた。
 つまり反中で、まともな国になろうとしたということ。
 結果、クリントンが愚かな政策を繰り返したせいでエリツィンは失脚し、レベジは暗殺された。
その二人を潰し、ソ連時代に逆戻りさせたのがプーチン。
「柔道に造詣が深いから親日派」というのは勝手。それは絶対評価だから。
 では、そういうプーチンを褒め称えている奴らが、エリツィン&レベジ時代にどんな言説を吐いていたか。
 それとの比較をすれば、お里が知れる。
 情報は、現在流れている情報だけではなく、過去からの流れを読み、比較すること。相対評価。

 本を読み歴史を知り、情報を相対評価するだけで、強くなれる。
 個の集合が民族なのだから、個人の努力から始めるしかない。

 保守は仲良くしようよ♪
 甘美な言葉ですね。
 でも、そんな「保守」を餌にしている奴の常とう句に酔うよりは、ちゃんと歴史の勉強をしよう。