皇族だった方が臣籍に下り、再び皇籍に戻ることは、皇籍復帰。三十六例ある。
皇族だった方が臣籍に下り、その子孫が皇籍に戻ることは、皇籍取得。六例ある。
つまり、生まれた時は民間人だった方が皇籍取得した例。
政府は「皇族の養子も皇籍取得の先例もあるが、養子による皇籍取得の先例はない」と間違ったことを言ってしまい「合わせて先例とする」などとややこしいことを言い出した。
これは政府の誤り。各所から「ある」と指摘がなされた。SNSでは「大河ドラマ(光る君へ)見てないのか?」「明子女王を知らんのか」などと言われていた。
皇籍取得の内、養子による皇籍取得は、明子女王と貞致親王。
当時、馬淵澄夫代議士(現在は落選中)が「先例が無い」と大騒ぎしていたが、これは誤り。仮に合わせて先例とするの立場でも、「杓子定規に再現されたもの以外は先例にならない」などと、皇室の先例に合わない考え方をしない限り、馬淵氏の批判は成り立たない。
そもそも杓子定規にしか再現しないから、成文法で定めればよい。柔軟に対応するために、先例がある。
今さら、「養子による皇籍取得」を騒ぎ立てる人がいて、「80年も前に皇籍を離れた人の子孫だ」と言い出している。
数を言うだけなら、皇籍離脱をした近衛信尋(後陽成天皇皇子。)の九世子孫の常磐井堯熙が150年後に皇籍取得をした先例もある。
私は僧籍だった時の皇籍取得なので、今回の先例とするのに適切とは思わないが、「80年」と言うなら、「150年がある」とだけ言っておく。
以上、救国シンクタンク調べ。
皇室の先例は、杓子定規に再現するのではなく、時代に合わせて准じて変えて大枠の伝統を守るためにある。准じて伝統を壊さないのが大事。
「女も結婚により皇族になれるのだから、男も皇族と結婚したら皇族になれる」は雑すぎる議論だし、伝統の根幹を破壊するから不可。准じるにならないし、できない。こういうことを言い出す人は、近代法の成文法の考え方に毒されているのでは?
非男系の皇位継承が絶対に認められるべきでないとまで、私は思ひません。男系皇統が全く断絶して朝野のどこにも見えなくなったら、そのときは非男系継承も止むを得ないことでせう。
非男系継承を可能にと熱り立つ人らは、先例からの帰納により見出される、不文の慣習法を無視して、その優先順位を紊乱させようとしてゐます。不文の慣習法を無視してよいのなら、自然の皇統による皇位継承も無視できてしまひます。皇位が皇統により世襲されることは、これを明治の皇室典範第一条が成文法化するまで不文の慣習法であったからです。
日本国憲法第二条は皇位を世襲のものとしますが、擬制皇統による世襲が明示的に排除されてゐるわけではありません。我が日本は、シナと違って、異姓不養則がありません。皇族が摂家の養子になった例もあります。ただ、皇室だけは例外です。
皇室には姓が無いから、非男系継承でも易姓革命にならないといふ人らがゐます。その伝では、異姓の男が養子として皇族となって践祚しても、姓が無いから、易姓になりません。現に彼らは、養子として皇族になる資格を男系皇統に限定するのは違憲だと言ひます。皇位は世襲のものであるのにです。これは擬制皇統でも世襲できると解釈しない限り、憲法第二条に整合しないでせう。
結局、先例を無視すると、自然皇統に繋がらない擬制皇統による襲位を斥けられなくなります。非男系皇統の襲位に積極的な人らは、故意か否か、さういふ途を開かうとしてゐます。