最近、政治家の話を聞いていると、「あの人は~だからダメだ」と、手を組むのに慎重だと強調されることが多い。確かに、「~」の部分、首肯できる話しか無かったりする。
と思っていたら、面白い話を発見した。
幕末、大久保利通は盟友の岩倉具視と組んで、徳川慶喜を追い詰めていた。ところが慶喜もタダものではない。「先帝(孝明天皇)の慰霊祭にお使いください」などと、岩倉のところに多額の金品を届ける。要するに買収。これを岩倉が受け取って、慶喜攻撃の矛先が鈍る。
では、その後の歴史は? 大久保は、慶喜を討伐する。当然、岩倉のネジを巻きなおした。岩倉ですら、これ。
以上、前田連山が書いてただけなので、単なる備忘。本では使わなかったエピソード。
政治家たるもの、人と付き合うのが仕事。基本的には、どんな人とも付き合わなければならない。これは、足し算。応用的には、そいつと付き合うと、誰が敵に回るかを考えながら、選ばなければならない。これは、引き算。
昔は、足し算と引き算、両方できても褒めてもらえないものだったが、今はどっちかだけやろうとして、どっちもできていない人が多いような気がする。