代表なければ課税なし?

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 昨日の安倍首相の記者会見、あれはないわ。
私は安倍首相支持の旗を降ろす気はないが、なぜ全政党が増税延期を支持するのに解散するのか。
この一点を以って大義が無い解散と断ずる。

 また、財務省が腹の中で笑い転げるような、国民に喧嘩を売る内容だった。
経済問題を争点にしているのに、会見が始まった瞬間に円高に振れ、時間外取引の株価もダダ下がり。
まさか今この瞬間、安倍政権に退陣されては困るのだから、批判すべきは指摘しておかねばなるまい。

 こういうことを言うと、「お前は朝日や民主党と同じなのか」と言われる。
だが、上っ面だけで判断したいならどうぞ、としか言いようがない。
間違っているものは間違っているし、朝日や民主党が批判できない点を指摘しておく。

 安倍首相が記者会見で強調した「代表なければ課税なし」の原則。
言葉の使い方が間違っている。
これ、アメリカ独立戦争で生まれた法諺だが、文字通りの意味で解釈すると

財務省に対して国民が武装蜂起!

になる。本気か?
そもそも、「代表なければ課税なし」は増税の時の言葉で、帝国憲法以来の運用でもそう解釈されてきた。
なぜ増税延期するのに民意を問う必要があるのか。

 それとも、実は今回の争点は「増税延期」が争点なのではなく、「2017年4月に必ず増税します」を公約にする気か。
後で「あの時、ああ言ったではないか」と言うなら、私は即座に行動を起こす。
これなら「代表なければ課税なし」の意味が通るが、それは政治的詐欺だ。
本気でそんなことを考えているなら、私が安倍内閣を支持する理由はない。

 ただし、こんなでたらめな解散の結果がどうなろうが、その結果が長続きするとは思っていないので、今回の総選挙では局外中立を保つ。

 私個人は個々の政治家を応援するが、
倉山塾として特定の政治家や政党を応援することはない。

 リアルな世界では「安倍自民」に逆風が吹いている。
公明党と自民党内増税派は腹の中で大笑いしているだろう。

 ネットでは狂信的な反安倍親自民(土建連中)と、反発した盲目的な安倍自民党信者に分かれているよう。

 私はどちらにも距離を置く。
余命半年で即死のところから一年半、合計二年の猶予を勝ち取ったのだ。
狂信的な反発も、盲目的な支持も、どちらもやめにして、冷静に自分が何を考えてみたらどうだろう。
たいていのことは、全否定も全肯定も間違いのはずだ。

「安倍自民党」が全部正しいとか、逆に全部間違っているとかありえないだろう。
この部分は正しい、この部分は間違っている、と自分なりでよいから考えてみてはどうだろう。