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TBS版「官僚たちの夏」は来ない! 第七回

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 何だか、佐藤栄作に代わって、あの世からの名誉毀損訴訟を起こしたくなった。長塚京三演じる須藤大臣、もはや佐藤栄作とは別人である。佐藤さん、あの世からギョロ目で睨んで下さい。って、今の人は佐藤栄作がギョロ目で、記者会見の時なんかにすごい迫力で威嚇してたのは知らないか。しつこいが、あんな弱々しい政治家ではありません。

 今回は風越一派(その走狗が須藤前通産大臣)が推進する「国内産業保護法」が、池内総理の包囲網によってあえなく潰える話。これでもかと反風越派が悪を極めた描き方をされていたが、やっていることはどっちもどっち。ドラマの描き方だと、風越たちだけが正義の味方に見えかねないが。

 風越の政治家への暴言はもう慣れた。もはや敬語すら使っていなかったが。それは官僚としてまずいだろうけど。

 今回の古畑通産大臣こと福田一、ウィキペディアではやたらと持ち上げられているが、TBSでは救いようがない俗物大臣として描かれている。城山原作の方がむしろ風越の横暴に腹を据えかねたとして同情的ですらあるが。

 余談だが、別件の取材中に福田一に関しての秘話を聞く機会があったのだが、よく三木武夫はこの人を閣僚に登用(前代の田中角栄内閣からの留任)させたなぁ、という政治家です。この話、もう少し詳しく書きたいのだが、もう少し取材を詰めてからにしたいと思っている。

 さて、風越たち、貿易自由化は悪だと思っているが、風越の妻や娘はバナナが安く買えると喜んでいる。風越に批判的な片山らは「天下の悪法」と呼んではばからないが。そらぁ、官僚主導の業界再編とか、法律による銀行への融資の(実質)強制とか、

 社会主義国の官僚統制そのものである。

 政財界に相手にされない風越の苦し紛れの一言!

 今は挙国一致の時です!

 これに対するいつも悪役の山岡頭取(大蔵省出身天下り)の反論。

 統制経済の復活だな!

 ごもっともである。

 風越に毒づかれた(って、これもすごい行為だが)池内総理の返答。

 返り血を浴びるのが怖くて一国の総理が務まるか!

 これもごもっともである。