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新興宗教とは

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宗教の前提。特に日本の場合。

一、どの宗教も最初は新興宗教である。

二、新興宗教は危険だが、「新興」の内が一番元気がある。

三、新興宗教はやがて体制化して「新興」ではなくなり穏健化する。

「二」に関しては、では浄土真宗は?となるが、蓮如上人はほとんど創業者そのものです。その証拠に明治時代の研究者が真っ先にやったのが親鸞上人の実在の証明ですから。ながらく架空の人物説が主流だったので。

「三」は、日本の場合、異常に早い。奈良仏教も平安仏教も鎌倉仏教も大体30年以内。ちなみに欧州の場合だとカトリックは約1300年かかった。プロテスタントの穏健化が同時期なので、約130年。イスラム教ではまだ穏健化していない宗派もありますな。でも1400年前から一貫して過激な宗派はひとつもないが。

 戦前日本では、○○教なんて「かなり怪しい団体」の扱いを受けていたが、今では考えられまい。ちなみに○○に入る団体、ひとつではない。

 大本教は戦前に大弾圧を受けていたのだが、かの吉野作造(キリスト教浸礼派)は、原内閣の姿勢を「生ぬるい!」と批判していたのである。

 宗教が「新興」の内はどうしても元気=過激に走りやすい。では世俗社会とどこで折り合うか、憲法学の教科書にウェストファリア体制について滅多に書いていないのが不満である。自由とか人権を論じるとき、市民革命なるどう多めに数えても三ヶ国でしか発生していない現象より、当時「欧州」と数えられたすべての国が参加したウェストファリア会議の方が重要だと思うのだが。