「大学では教えられない歴史講義」カテゴリーアーカイブ

無力政治家と有力秘書の関係

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 無力政治家と実力秘書の関係。

 自民党の場合。

 政治家は王侯貴族(正確には大名か)、秘書は奴隷か、せいぜい使用人。事務所内において、身分差は厳然とある。事務所では「先生」の言うことがすべて。苦楽をともにした秘書の意見を聞くことはあっても、それは代議士の意思次第。秘書が政治家を操るなどありえない。これは飯島勲のような超実力秘書ですら例外ではない。あくまで小泉あっての飯島。本人もそれをわかっている。歴代首相首席秘書官とか、肩書はなくても竹下首相青木伊平秘書官のような場合のみ、他の政治家に指示を出す、などということはあるが、それは総理側近としての立場であって、総理より偉くなるなどとはありえない。

 ここでその昔、飯島とともに永田町二大実力秘書と言われていた鈴木ムネオのことを思い出したあなたは鋭い。超例外です。派閥領袖の中川一郎の威を借りて、今や有力政治家と言われるあの人やこの人を雁首揃えさせて怒鳴り散らした、などという伝説はあるが。真偽のほどはともかく、さもありなん。だから中川一郎は悲劇的な結末を迎えましたな。

 

 どこの党とは言わないが、ファシズム体質政党の場合。

 ファシズム体質政党とは、党職員が国会議員より偉いということ。

 政治家は政治家事務所という軍隊の傀儡将軍。秘書は政治将校。つまり党本部から使わされた監視役。こういうと共産党?と思われるが、別に共産党だけとは言っていない。あと、日本共産党の場合、有力職員が政治家になる伝統があるので、必ずしもこういう現象になるとは限らない。

 で、こういう政党の場合、政治家とだけ約束しても無意味なんですな。政治家の隣に有力秘書がいる状況で話を持っていかないと、一発で話が決まらないのである。こういうの、旧社会党の特に左派と呼ばれる人たち相手だとそうだったのです。ところで、旧社会党の左派ってどこに行ったんだろう?

 今の民主党、実力政治家が308人中何人いるか、数えてみよう。二本斜壊党(ハマコーさんはこの政党の存在を指摘し続けた)の残党がいっぱい居たら大変ですね。