異教の祭りの日に、不吉なことを書いてみる。たまには憲政史家らしく。
衆議院総選挙で300議席を獲得した政権は1年以内に死に体になっているのだ。
★犬養毅内閣
昭和7年2月20日 303議席(追加公認含む) 議席率64.59%
同年5月15日 暗殺
この頃、「300は力にならず」が言われた。
犬養は増長する青年将校を30人くらい馘首しようとして(戦前の首相もその権限があった)、
暗殺された。
私、安倍内閣が絶対無敵内閣になるには、組閣直後に財務省人事に手を突っ込むべきと思っているが。
せめて来年6月の人事で粛清を行えるかなあ。
★東條英機内閣
昭和17年4月30日 381議席 議席率81.5%
同年5月20日 翼賛政治会を結成(せざるをえず)
悪名高い翼賛選挙。
ところが、これでもかと選挙干渉してなおも2割の批判派が当選したことに、東條は驚愕。
翼賛政治会を結成するが、単なる巨大院内会派に過ぎないので内紛続発。
戦時中なのでみんなが戦争遂行に協力したが、このザマ。
ところで、東条さんって、一時的に日本国の最大版図を実現したけど、何か結果を残した?
★第二次中曽根康弘内閣
昭和61年7月6日 304議席(追加公認含む)
金丸信に首根っこを押さえられ、大蔵省と板挟み
特に翌年4月の統一地方選挙は大惨敗
最近私が絶賛する(この世の終わりのように嘆かわしい)、金丸信が主導した「死んだふり解散」。
衆参同日選挙に勝った中曽根は総裁任期の延長を夢見るが、
金丸は速攻で「一年の任期延長は当然だろう」と流れを作る。
「大型間接税は導入しません」を公約にしたのに、
「これは新型間接税です」と売上税を導入しようとして翌年の地方選挙で連戦連敗。
それでも、さんざん金丸に恩を売ってから竹下登に首相の座を禅譲した手腕はさすがだが。
この人の実績、JR・NTT・JTへの民営化だが、それって戦後政治の総決算なの?
★第二次小泉純一郎内閣
平成17年9月11日 296議席 公明党と合わせ3分の2を突破
平成18年3月9日 福井俊彦日銀総裁、量的緩和を解除
今の人だと「強い総理と言えば小泉さん」だが、その小泉さんも日銀には完敗。
この日の福井の態度は、小泉首相・安倍官房長官をあざ笑うかのように木で鼻をくくったような態度だったとか。
かの小泉さんがさんざん国会答弁でけん制したのに無視。
安倍官房長官に実質的な禅譲を行おうとする時期を狙った絶妙の「暗殺」だった。
かくして安倍内閣は景気対策に追いまくられ、一年で退陣。
★鳩山由紀夫内閣
平成21年8月30日 308議席 64.16% 国民新党、社民党と合わせ3分の2を突破
平成21年9月3日 小沢一郎幹事長就任
鳩山は小沢の閣内封じ込めに失敗。
細川内閣の再現VTRのような二重権力構造に陥る。
そして、たった4議席の社民党に振り回され、
裏公約に掲げた亡国政策すら何もできずに翌年6月に退陣。
★第二次安倍晋三内閣
平成24年12月16日 294議席 61.4% 公明党と合わせ3分の2を突破
平成25年10月1日 消費増税8%決断を発表
今思い出しても悔し涙しか出ない屈辱の記者会見。
しかも、参議院選挙に大勝した2か月後のレイムダックだからな。
私は安倍内閣に続いてほしいからこそ、盲信はしない。
とにかく3月と6月の日銀人事で2連勝してくれ。
なぜ2連勝でなければダメかは次回。