構想20年、執筆1年の超大作。
3月16日発売!
検証 財務省の近現代史
政治との闘い150年を読む
光文社新書 税込861円
立ち読みするならこの章!というのが第2章です。
なぜか「ベルばら」からはじまります。笑
ご存知の通り、本日で大震災より1年が経ちました。
なぜこの本を書こうかと思ったかというと、色々ありまして。
20年前から考えていたのは、
「なぜ大蔵省が日本近代史で出てこないのだろう?」
「イギリスだと大蔵大臣は内務大臣より強いのに、なぜ日本は逆なのだろう?」
とかの素朴な疑問です。
震災の前から、リフレ派とデフレ派の論争に関しても二つ大きな疑問がありまして。
一つは「高橋是清vs.井上準之助」の構図を強調しすぎることです。
もちろんこれは正しいのですが、部分的なのです。
真の謎解きは第3章になるのですが。
もう一つは「井上準之助は最後まで増税反対を貫き通した」という点がまったく語られていませんでした。
井上とか彼を起用した濱口雄幸は経済失政の象徴のように扱われていて、その主張は全部正しいのですが、その井上や濱口ですらデフレ下での増税だけは阻止したというのは極めて重要な事実だと思うのですが。
大震災時から今に至るまで何もできていないに等しいのに、与野党の主流派が唯一テキパキとしているのが増税だけですね。
この怒りが、力足らずを承知でこんな本を書こうと思ったきっかけです。
何か後ろから背中を押されるように。
そもそも大蔵省の話自体が近現代史でほとんど語られない以上知られているはずが無い事実なのですが、大蔵省史観では「井上も高橋も同様に英雄」です。
なぜか。
大蔵省、特に主計局の最強時代だからです。
特に井上などは戦後も通じて、史上最強です。
「2.26事件で高橋蔵相が暗殺されてから大蔵省は軍部の財布の如くになった」
は通説ですが、これは大蔵省自身が流布したのです。
しかもこの通説に従っても「2.26までは大蔵省最強」になります。
買うかどうか迷っている人はこの第2章を読んでからにしてください。笑
あまりにおもしろすぎて、他の章もそれに合わせようとして執筆が遅れに遅れてしまった章です。今読んでも完成度が高い。(自画自賛)
ということで、乞御期待。