憲法を定めるとは国の形を決めること。
どこの国でも、第一条で決めるものです。
第一案
日本国は万世一系の天皇が之を統治する。
第二案
日本国は万世一系の天皇が之をしらす。
国名を大日本帝国から「大」と「帝」をとって日本国にしよう、というのがジョージ松本と美濃部博士の出発点。
憲法を定めるとは国の名前を決めるところからはじまるのです。
だから、日本国憲法の改正によって「東アジア人民共和国」とかにされたら困るのです。
これはあらゆることで対立した戦前の憲法学者でも全員が合意したことですが、「帝国憲法で天皇を定めたのではない!帝国憲法は確認しただけだ」です。
日本国憲法第一条は「国民の総意により」とか、誤解を招きかねない下手糞な表現ですね。
まあ宮沢俊義やケージスは日本を共和国にしたかったくらいだから、さもありなん。
象徴?なんだそりゃ?
さて、第二案は伊藤博文たちの最初の草案です。
「ウシハク」ではなく「シラス」。
ただ、シラスは既に当時の日本人にとってなじみのない古語だったので見送り。
国民にわかるような用語にしたとか。
で、統治ですが、支配ではないです。
よく「君臨すれども統治せず」と言われるのですが、正確には「統治すれども支配せず」です。
なぜ天皇の統治権が必要かは、「帝国憲法講義 危機管理編」の第一回をどうぞ。
帝国憲法と危機管理(全4回・1万3千円)
復興と陰謀(全4回・1万3千円)
なければ、今次大震災のような悲惨な目になります。