「政治家」カテゴリーアーカイブ

総理の出身

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最近は誰もが政治の劣化を嘆いている。
「最近は二世ばかりで」
「でも政経塾あがりはどうにかならんか」
「官僚はだめだ」
「でも社会を知らない純粋な党人はもっとだめだ」
「経営者感覚の政治が必要だ」
「でも、経営者感覚だけでやられたらたまらん」
とかなんとか。
ということで、歴代総理の出身を考えてみる。

純粋党人
犬養毅、鳩山一郎、石橋湛山、田中角栄、三木武夫、竹下登、宇野宗佑、海部俊樹、野田佳彦

 石橋・田中・三木は党人ということになっているけど。
野田も「政経塾」というくくりの方がしっかりくるか。
平成初期の「党人対官僚」などという構図を誰も言わなくなってから三代連続しているのに注目。

新聞記者
原敬、犬養毅、石橋湛山、細川護煕

 このくくりでしっくりくるのは石橋かなあ。
他の三人と比べて記者としての実績が違いすぎるので。

経営者
西園寺公望、原敬、石橋湛山、田中角栄

 ここのくくりでは石橋と角栄がダントツ。
錬金術に関しては、角栄は圧倒的でしょう。
だから経営者やビジネスマンに人気がある政治家なのだけど、幹事長や閣僚としてはともかく、首相就任以後は老害以外の何物でもない。

社会主義者
片山哲、鈴木善幸、村山富市、菅直人

 泣きたくなる面子。
そもそも国会議員にするな。

学生
三木武夫

 これは例外中の例外。真似しても無理です。

官僚(軍事官僚は除く)
外務省:原敬、加藤高明、広田弘毅、幣原喜重郎、吉田茂、芦田均
日銀 :高橋是清
内務省:清浦奎吾、中曽根康弘
大蔵省:若槻礼次郎、濱口雄幸、池田勇人、福田赳夫、大平正芳、宮沢喜一
検察 ;平沼騏一郎
商工省:岸信介
鉄道省:佐藤栄作

 一番多いのがこれ。日本が官僚国家と言われるゆえんですな。
ただし、純粋に官僚のまま大命降下したのは、清浦・広田・平沼の短命弱体政権のみ。
強力政権となった原・加藤・濱口は党人としての経験を十分に積んでいる。戦後は言うに及ばず、自民党政権。
首相と衆議院の地位はそれだけ重かったのです。
とはいうものの、宮沢喜一を最後。東大だって、その後は鳩山由紀夫のみ。
平成は、首相と衆議院が軽くなったということか。

軍人
戊辰の役で総督:西園寺公望
陸:山縣有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一、林銑十郎、阿部信行、東條英機、小磯国昭、東久邇宮稔彦
海:山本権兵衛、加藤友三郎、齋藤実、岡田啓介、米内光政、鈴木貫太郎

 このくくりは、今の憲法が続く限り東久邇宮が最後。
戦前、最も多いのがこのくくり。
安定政権を築けたのは桂・田中・東條。
全員、衆議院を抑えたからだが、政党との関係に腐心した。
弱体内閣だけど、相手がもっと弱すぎて意外と長続きした齋藤内閣というのもある。

公家
三条実美、西園寺公望、近衛文麿、細川護煕

 なんだかなあ。
歴代内閣に数えられていない三条が可哀そう。

皇族
東久邇宮稔彦

 敗戦という異常事態だから。

世襲代議士(サラリーマン)
鳩山一郎、羽田孜、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫

 一郎も二世ですよ。
羽田以降で世襲でないのは、村山と菅と野田のみ。
そう考えると世襲だから悪いとは言えないけど、平成の自民党なんかはいい加減にしろとしか言いようがない。橋本から麻生まで全員世襲ってやりすぎだろう。
「だから民主党なんかに負けるんだよ」と毒づきたくなる。

 さて、最もマトモな出身母体を発見。

志士
伊藤博文、黒田清隆、山縣有朋、松方正義、大隈重信、桂太郎

 大隈重信は見なかったことにしよう。笑
あれでも大久保利通の右腕としては優秀だったんですよ。